慶應殿町ファーマコメトリクス

ファーマコメトリクス人材育成コース

 ファーマコメトリクスとは、数理モデルとシミュレーション技術を用いてヒトにおける薬剤の効果および副作用を解析し予測する研究領域であり、新医薬品の開発や臨床での薬剤適正使用に活用されています。

 慶應義塾大学殿町タウンキャンパスが主催するファーマコメトリクス人材育成コースは、この新領域を学びたい人たちを対象として、社会に開かれた学びの機会を提供します。本学在学生に限らず、他大学の学生・大学院生、社会人のどなたでも受講できます。本コースは、専門知識に加えてハンズオン実習および小グループ討論によって実践的な解析スキルと思考法を習得することを目的とします。入門編・基礎編・中級編・実践演習編と段階的にステップアップする一連のコースを準備していますので、各自のニーズに合わせてファーマコメトリクスの専門知識および解析スキルを習得できるようにカリキュラムを構成しています。

 受講に際して本領域の予備知識や業務経験は必要ありません。初歩的内容から段階的に学んでいくことができます。それゆえ、医学・薬学・情報科学・数学・農学等さまざまな領域の方々にとって、また学部生、大学院生、企業・医療機関・行政機関などに所属し将来の活躍の場を広げる意欲を持つ方々にとって最適の自己啓発コースです。

 2022年度から1日コースの入門編を新たに設けました。薬物動態解析の初心者を対象とするエントリーコースです。とは言っても、学ぶ内容は臨床での投与設計や医薬品開発の実務に即した実践的内容としています。そして、これまで好評を博してきました基礎編、中級編、実践演習編の3日間集中コースも内容をさらに充実させて準備しています。実践演習編は、いま話題のMIDD (Model-Informed Drug Development)を疑似体験することを目的として、小児用医薬品開発をテーマに実践的な演習を行います。

 さらに、短期コースのみならず継続的な学習・研修を希望する方に対して、6か月あるいは1年間継続して技術指導を行う新たなコースを設置しました。ご興味のある方は下記の連絡先へ個別にお問合せください。

 本コースによりファーマコメトリクス・ワールドを体験し、医薬品の開発・評価・臨床使用等さまざまな立場でファーマコメトリクスの知識とスキルを活用していただくことを願っています。皆さまのご参加をお待ち申し上げております。

2022 年 4 月 吉日

谷川原 祐介

コース責任者
慶應義塾大学 殿町先端研究教育連携スクエア
ファーマコメトリクス・システム薬理学研究室
大学特任教授 谷川原 祐介

コースの概要:
入門編
・薬物動態と投与設計シミュレーション
・ノンコンパートメント解析
基礎編
・ファーマコメトリクスの基礎
・個別PK解析
・個別PK/PD(曝露反応)解析
中級編
・母集団PK解析
・母集団PK/PD(曝露反応)解析
実践演習編
・ファーマコメトリクスを活用する医薬品開発(MIDD)の実践演習
・小児用医薬品開発の疑似体験

受講資格:
・入門編、基礎編:受講資格なし。事前の予備知識や業務経験は不要
・中級編:本コース基礎編の修了者
・実践演習編:本コース中級編の修了者

連絡・照会先:
慶應義塾大学 殿町先端研究教育連携スクエア
ファーマコメトリクス・システム薬理学研究室
E-mail: pmx-group@keio.jp (担当 林)

後援:
日本製薬工業協会
一般社団法人日本TDM学会
一般社団法人TDM品質管理機構
一般社団法人日本薬物動態学会
Pharmacometrics研究会
一般社団法人日本医療薬学会